リニューアルオープンのご挨拶~8年の時を超えて~

この『ココルポ』というサイトを開設したのは、2016年8月のことでした。 早いもので月日は流れ、今年でちょうど10年になります。かつて、若かりし頃の私は、世の中に溢れかえる「人間の理不尽」を前にこう叫んでいました。
「そんな大人、修正してやる!」
しかし、プログラミングや電子工作の世界とは違って、人間の——しかも他人の脳内OSにパッチを当てることは不可能です。どんなに言葉を尽くしても、どんなに正論を説いても、バグを抱えた人間はエラーを吐き続けます。 そこで当時の私は、「修正する」ことを諦め、「収蔵する」ことに決めたのです。
「そんな大人、収蔵してやる!」
それが、このサイト『ココルポ』の始まりです。 サイトの名前とドメインは、「心のレポート」→「ここれぽ」→語呂が悪いから「ココルポ」、ドメインは当時、一番安かった「.net」。「これでいいのだ!決定なのだ!」と、このcocorepo.netが誕生しました。今思えば「これが若さか……」というものなのだと思います。
8年間の空白が証明した「仕様」
2年ほど更新を続けた後、私はこの場所を長い間、管理不在のまま放置することとなりました。 理由は至極単純です。私自身がこのテーマに「飽きた」こと。そして何より、巨大検索システムに「評価されない(嫌われた)」と感じて、情熱の糸が切れてしまったこと。そこに私自身の「ずぼらさ」が重なり、気づけば8年という月日が流れていました。
身辺を整理するような心持ちで久しぶりにこの場所の扉を開け、収蔵品(過去の記事)を眺めてみました。そこで驚いたのは、その「鮮度」です。そこに並んでいる「食い尽くし系」や「不条理な人々」の姿は、時を止めたかのように新鮮なまま私を迎え入れたのです。
本来、ネットの情報は数年も経てば風化し、価値を失うものです。しかし、ココルポの事例(ケース)たちは、今読んでも全く古びてはいません。 人間の本質的なバグ——卑しさ、支配欲、想像力の欠如。これらは8年前どころか、数千年前から何一つアップデートされていない、人類共通の「不変の仕様」だからなのでしょう。数千年の歴史、そして私が飽きて放置していた空白の時。その間も人類のOSに革新的なパッチが当たることはなく、連綿と続いてきた人間の本質的なバグ。それはなんと悲しく、そして、どうしようもなく愛おしいものなのでしょうか。
2026年、リニューアルの刻(とき)
かつての私は、どこか他人事ではない憤りに突き動かされ、これらの事例を集めていました。 しかし2026年、今の私はこれらを「人間に不可避なバグ」として、少し冷めた、しかし知的好奇心に満ちた視点で見つめています。
今回のリニューアルでは、単なるエピソードの羅列に終わらせるつもりはありません。「なぜ、彼らはこのようなエラーを吐き出すのか?」という構造の解明、そして「どうすればその致命的なエラーから自分を守れるのか」という【鑑定と分析】を、すべての事例に付加していきます。
他人のバグを「修正」することはできなくても、正しく「理解」し、賢く「回避」することは可能です。 そして何より……厚いガラス越しに、安全な場所からその不条理な振る舞いを観察するのは、困ったことに、最高に面白いのです。
「人の手」が打ち込んだ、生きた記録
収蔵品(事例のデータ)は、当時の掲示板などから収集しているため、作り話や事実ではないことも多分に含まれているでしょう。 しかし、AIによる自動生成情報があふれる現代とは違い、たとえ作り話であったとしても、それらはかつて人間が自らの脳で考え、その手でキーボードやスマホをタップして打ち込んだ「生の声」であることに違いありません。そこには、人間にしか生み出せない「熱量」が宿っています。
人間社会のバグを「知の標本」へ
- より深く、より皮肉に
- 事例を収集しただけの資料館ではなく、体系的な博物館として
これらの言葉を合言葉にして、人間社会のバグ博物館『ココルポ』をリニューアルオープンいたします。 8年の時を超えて再び扉を開いた、人類不変のバグ・コレクションを、どうぞごゆっくりお楽しみください。
また、長らく放置していた間に、メールボックスには山のようなスパムメールが堆積していました。それらの「デジタルのゴミ」を扱う別館として、『Bot-Motto|サイバー生態系調査「ボット図鑑」』も合わせてオープンしました。 こちらも合わせて、ぜひご覧ください。
館長

