今回は、思わせぶりな形をしているため、ネットでもしばしば話題になるキノコ「タケリタケ(猛茸)」をご紹介します。
この記事の目次
タケリタケ(猛茸)の生態
さてこの「タケリタケ(猛茸)」いったいどうしてこんな形になってしまったのでしょう。
その理由を調べてみました。
カビとキノコのコラボによる自然の創作物「タケリタケ」
テングタケの仲間のガンタケにヒポミケスキンという菌類(カビ)が寄生して、奇形になってしまったものを「タケリタケ」と呼びます。
ヒポミケスキンは、宿主に寄生する菌類界の中のいわゆる「ヒモ」的な存在です。
ヒポミケスキンは珍種の菌類で、キノコのつぼみに寄生し、宿主のキノコを奇形にする性質を持っています。
寄生されたきのこは茶褐色に変色し、傘が開かないまま成長します。
写真で見てみよう!ヒポミケスキンの使用前→使用後
↓ガンタケは普通のキノコらしいキノコなのですが…
↓ガンタケにヒポミケスキンが寄生すると
あらビックリ!!こんな形に成長してしまいます。
「タケリタケ」は、ヒポミケスキン(カビ)とガンタケ(キノコ)のコラボレーションによる自然の創作物であると言えるでしょう。
「タケリタケ」写真集
では、ここで猛り立つタケリタケの雄姿をご覧ください。
見かけ倒し・ガッカリ感が半端ない「タケリタケ」の真実の姿
前項でご紹介したように、ネットや図鑑に載っている写真は、わざと選んで撮影したのではないかというくらい勇猛に猛り立ち、逞しくマッスルなフォルムのものが多いです。
しかし、実際の「タケリタケ」の姿は、かなり小さく、硬くもなく、触るとボロボロと崩れ落ちるそうで、ガッカリ感が半端ないようです。
カビに寄生されているのですから当然と言えば当然なのですが…やっぱりちょっとガッカリですかね。
まとめ
「タケリタケ」は、最初からこのような形なのではなく、菌類に寄生された結果、何かを想像させてしまうフォルムとなってしまった、かわいそうなキノコなのです。
また、テングタケ以外にヒポミケス属の菌が寄生したきのこはタケリタケとよばれません。
なぜなら猛っているように見えないから。
うん見えない♪
「テング」のみ「タケリタケ」の称号を与えられるのです。
ちなみ「タケリタケ」は食用には適さないそうです。
毒のある個体が多いらしいので、見かけても食べたり舐めたりしないでくださいね。
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