日本史の教科書に載っていた「口から何か出ている人の像」、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
この像は「空也上人立像」です。
空也は平安時代に活躍した僧侶で、「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えて民間の人々の救済に尽力したことから市の聖(いちのひじり)などと呼ばれています。
この口から飛び出している物体は?
さて、この口から飛び出している物体は何かというと、六体の小さい阿弥陀仏です。
この阿弥陀仏は、念仏の「南無阿弥陀仏」を表現しているのです。
「南無阿弥陀仏」は6文字。
小さい阿弥陀仏はイチ・ニィ・サン・・6体いますね。
つまり「空也上人立像」の口から飛び出しているのは念仏で、目には見えない言葉を視覚化した、当時としてはものすごく斬新な表現方法だったのです。
空也上人立像について
鑑賞できるところは
空也上人立像は京都の「六波羅蜜寺」で鑑賞することができます。
六波羅蜜寺
住所:京都市東山区五条通大和大路上ル東
鑑賞ポイント
「空也上人立像」は鎌倉時代の肖像彫刻の傑作といわれています。
当時の高僧の肖像彫刻は行儀よく座っている像(坐像)が多かったのに対して、歩きながら念仏を唱える動的な姿は独特で、後の遊行僧を表す肖像彫刻のお手本とされました。
表現力に感動すべし
念仏を阿弥陀仏が口から飛び出しているという表現で、視覚化に成功している、斬新でユニークな像です。
この表現力の素晴らしさも鑑賞のポイントであるのではないでしょうか。
時代と作者について
13世紀初頭(鎌倉時代)に、運慶(うんけい)の4男の康勝(こうしょう)によって作られました。
フィギュアになっちゃいました
なんと「空也上人」がフィギュアになっちゃいました!
仏像フィギュアの「イSム(いすむ)」がネットで販売しています。
わずか18センチの中に総パーツ数は18を数え、シリーズ中最も精巧な組み立てを要する。 最大の特徴である、口から放たれた6体の阿弥陀仏は素材選定から厳選。わずかな誤差も許されない緻密な作業により、空也の魂までも迫る造形が完成。 職人が持てる技術のすべてを注ぎ込んで完成した、イスムシリーズ初の肖像彫刻。
- 製品内容:本体(台座一体)
- 生産地:中国製
- 素材:ポリストーン