日本古来の神様は、なんだか優しいイメージではないですか?
しかし、意外な事に日本の神は祟ります。祟りまくりです。
スタジオジブリの映画「もののけ姫」(宮崎駿監督)はご覧になりましたか?
冒頭でアシタカの村を襲ったタタリ神(ナゴの守)のシーンを思い出してください。
まさにアレです。
猪神のナゴの守は、エボシ率いる石火矢衆に鉄のつぶてを撃ち込まれ深手を負い、苦しみと人への憎しみからタタリ神となりアシタカの村を襲います。アシタカの放った矢によって村は救われますが、アシタカは引き換えに死の呪いをうけ、村を追われてしまいます。
「祟り」プラス「呪い」です。
日本の神は本来、「祟るもの」なのです。
祟りとは何か?
祟りとは、神仏や霊魂などの超自然的存在が人間に災いを与えることです。
流行り病い、飢饉、天災、その他の災厄などです。
祟り神を手厚く祭り上げると守護神に変貌
災いそのものが神であり、それを畏れ鎮めて封印し、祀り上げたものが神社祭祀の始まりとの説があります。
祟り神は恐れられている反面、手厚く祀りあげることで強力な守護神になるのです。
祟り神を鎮める装置として仏教が輸入され広まったという話を読んだことがあります。たぶん井沢元彦さんの「逆説の日本史」だったと思います。
有名な祟り神
祟り神として有名なのは祇園大明神(牛頭天王とスサノオの習合神)です。毎年、京都では祟り神を慰撫し鎮魂する祭りとして祇園祭が盛大に行われます。
また菅原道真や崇徳院、平将門非業の死を遂げた人物も祟り神に部類される神として、盛大に祀られています。
まとめ
日本古来の神様は「祟り」と表裏一体です。
「触らぬ神に祟りなし」のことわざどおり、神聖な場所などを穢したりして神様を怒らせない方がいいのかもしれませんね。