「サイコパスはIQが高い」は誤解・錯覚だった

映画「羊たちの沈黙」や「ハンニバル」に登場する”ハンニバル・レクター”や、小説「悪の教典」のハスミンこと”蓮見聖司”の影響もあって、サイコパスは「非常にIQが高い」「天才」のイメージを持っている方が多いのではないかと思います。

「サイコパスはIQが高い」は錯覚

むしろ「平均よりIQが低い」という結果が出ている

実はサイコパスの知能は一般人とそれほど違いがありません。
サイコパスと一般人のIQを比較しても、統計的に有意な差が認められないそうです。

それどころか、社会性を検査する尺度に注目してみると、むしろ「平均よりIQが低い」と出るようです。

ただ、すべてのサイコパスのIQが低いという訳ではありません。暴力的な傾向と衝動性が低いサイコパスは、一般の人よりも知能が高いことを示唆する研究結果があります。普通の人に「賢い人」「愚かな人」がいるように、サイコパスにも「賢いサイコパス」「愚かなサイコパス」がいるのです。

サイコパスはIQが高いと勘違いされる理由

サイコパスは脳の構造上、恐怖や不安・緊張を感じにくいので、どんな時でも堂々として見えます。

そして、普通の人が「ためらうようなこと」「危険なのでやらないこと」をサイコパスは平然と行います。

そのために「勇気があって賢い」と錯覚してしまうのです。

認知バイアスによる誤解

認知バイアスとは、認知心理学や社会心理学の理論で、ある対象を評価する際に、自分の利害や希望に沿った方向に考えが歪められたり、対象の目立ちやすい特徴に引きずられて、ほかの特徴についての評価が歪められる現象を指します。

サイコパスに特殊な能力(「IQが高い」など)がある、と普通の人が思いたがってしまうのも認知バイアスのひとつです。

まとめ

普通の人に「賢い人」「愚かな人」が存在するように、サイコパスにも「賢いサイコパス」「愚かなサイコパス」が存在します。
以上、「サイコパスはIQが高い」というのは錯覚であるという記事でした。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加