介護業界には、いわゆる『ブラック施設』と呼ばれてしまう職場が多いようです。
ブラック施設とは従業員に違法な残業を強いたり、給料の未払が続いたり、求人広告とは全く違う過酷な労働を従業員に押しつけ、人材を使い捨てにするような施設のことを言います。
今回は、そんな施設に就職してしまわないように、『ブラック施設の特徴』をご紹介します。
すでにブラック施設で働いている方向けに、『ブラック施設に間違って入職してしまったら』『ホワイトな転職先の探し方』も合わせてご紹介しています。
この記事の目次
ブラック介護施設(大手デイサービス)の悲惨な実態
2016年のブラック企業大賞 業界賞は大手のデイサービスでした。
授賞理由から施設の悲惨な実態が、良く分かりますのでご覧ください。
●ブラック企業大賞 業界賞 授賞理由
大手デイサービス企業である●●が運営する●●本舗のフランチャイズ店ではサービス提供を行う介護労働者が過酷な労働環境で働かされていた。
その事業所では人手が少なく、日勤では10人近い利用者を2人で見ることもあるため、利用者の入浴や排泄があれば、1人で残りの利用者に対応しなければならなかった。そのため勤務中はまともに休憩を取ることができなかった。夜勤は1人体制で、呼び出しもあるため十分な仮眠を取れず、日中できなかった事務作業を行なっていた。こうした状況の中で、未払い賃金や休憩が取れないなどの違法状態が広がり、労働基準監督署から是正勧告が出された。
少子高齢化が進む日本社会において、介護サービスを提供する業界の社会的責任は重要性を増している。この介護業界の社会的重要性と、それを担う労働者が安全に働ける職場環境の構築は急務である。よって、貴社が自らの社会的責任に気づき、労働者を過酷な労働環境で働かせることのないように警告する意味を込め、ここに業界賞を授与する。引用:ブラック企業大賞
ブラック介護施設の特徴
ブラック施設に就職してしまわないためには、ブラック施設の特徴を知っておく必要があります。ブラック施設に見られやすい特徴をまとめました。
参考情報としてご活用下さい。
(※必ずしも全ての施設に当てはまるとは限りません。)
離職率が高い
ブラック施設は従業員を酷使して使い捨てにします。
過酷な労働環境から体を壊したり、パワハラやいじめなどで心を病んだりしてすぐに人が辞めてしまいます。結果として離職率が高くなります。
ブラック施設はとにかく従業員の入れ替わりが激しいことが特徴です。
2~3年目の先輩がいない
ブラック施設は従業員を散々使った挙句、ボロボロの状態にして捨てることが多いです。
従業員は1年もたずに辞めてしまいます。残る人がほとんどいません。
つまり、2~3年目の先輩がいないということは離職率が高く、ブラックである可能性があるのです。
常に従業員を募集している
いつも従業員募集の広告を出している施設は、ブラック施設の可能性があります。
ブラック施設は、厳しい職場環境やパワハラなどが原因で、人材がまったく定着しません。
つまり、離職率が高いため、常に人材が不足しているので、絶えず求人広告を出し続けなければならなくなっている状態です。
転職活動中の方は、求人掲載期間にも注意して転職活動をするとよいでしょう。
周辺の事業所と比べて給与が異常に高い
ブラック施設は従業員を使い捨てにするので、常に人材が必要な状態です。
つまり給料を高く設定して、人材募集のエサにしているのです。
高い給料に魅力を感じ入社しても、給与を下げられるケースもあります。
また、例えば月収20万円~50万円といった、給料の範囲を広くして募集しているところは最低ラインの20万円からのスタートとなることろがほとんどですので、注意が必要です。
面接官の態度が悪い
面接官が高圧的であったり、無気力だったりと態度が悪い場合は、ブラック施設の可能性が高くなります。ブラック施設は従業員を一人の人間としてではなく、機械や物のように見ています。面接官の態度にも、ブラックな兆候が反映されるのです。
ネットで『ブラック』だと評判である
大手の施設の場合、ネット上で評判が立っていることがあります。
評判は『名称+評判』『名称+口コミ』で検索したり、求人サイトの口コミ等で確認することができます。
※注意点※口コミや評判は個人の主観が含まれます。すべて鵜呑みにせず参考程度に留めておく方がよいでしょう。
面接当日に採用される
これも離職が高いことが原因です。人材が不足しているため、とにかく人手が欲しく、誰でも良い!という状態かもしれません。採用されてすぐに過酷な労働を強いられますので注意が必要です。
試用期間が異常に長い
試用期間の間に過酷な労働をさせ、給与の安い試用期間で辞めさせられるというケースもよくあります。
一族のワンマン経営である
ワンマン経営もブラック施設の特徴です。
経営者一族の意見で、ものすごい理不尽や法に違反する行為が、施設内では平気でまかり通っている場合があります。施設の利益のみを優先し、従業員の利益をまったく考えていないのもブラック施設の特徴です。
労働雇用契約書を発行しない
労働基準法で、雇用側は労働者に対して給与・休日などの労働条件を書面で明示する義務があります。ブラック施設は求人情報や面接時の条件と、入職後の条件が違うことが多いので証拠を取られないために労働雇用契約書を発行しないことがあります。
面接時の説明と条件が違う場合は、即退職することができます。
サービス残業が当たり前になっている
『1日30分未満の残業時間は切り捨て』『出勤時、制服に着替えた後でタイムカードを押させる』等、日常的に行われているこれらもブラック施設の特徴でもちろん違法です。
利用者からの暴力、セクハラを見て見ぬフリをする
利用者さんからの暴力やセクハラがあり困っていても、「認知症の方だからしょうがない」「あなたが我慢すればよいだけ」とまともに取り合ってもらえないのもブラック施設の特徴です。
ブラック介護施設で働いているあなたへ
ブラック施設はすぐに退職が吉 ただし転職先を決めた後で
間違ってブラック施設に入職してしまった場合は、出来るだけ早く、勇気を持って転職してください。
『生活費を稼いで家族を養わなければならない』『急に辞めたら周りに迷惑がかかる』『転職先があるか不安』と退職が不安であるとは思いますが、ブラック施設の過酷な環境で働き続けて、身体や心を壊してしまっては元も子もありません。
ブラック施設は、使えなくなったあなたを平気で切り捨てます。
壊れてしまう前に勇気を出してブラック企業を辞めてください。
ただし転職先を決めずに退職してはいけません。
自己都合の退職ですと雇用保険もすぐに受給することができないので、収入が途絶えてしまいます。また、ブランク期間があると収入が途絶えるばかりか、次の転職先にマイナスのイメージを持たれてしまいます。
今の職場で働きながら次の職場への内定をもらい、ブランクなく転職するのがおすすめです。
とはいえ、ブラック施設で働いていると、転職活動に時間を取るのが難しいですし、上司や経営者にばれてしまったら、どんなひどい仕打ちを受けるかわかりません。
ここは求人サイトを使って隠密に行動することをおすすめします。
求人サイトならWEB上で登録して、連絡を待つだけになりますので秘密に就職活動をするのには最適です。
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